SAI講座 レイヤーの使い方

目次。

  1. レイヤーって何?
  2. 透明部分保護
  3. 下のレイヤーでクリッピング
  4. 領域抽出元に指定
  5. 直線の引き方

レイヤーって何?

CGを使う際によく聞く「レイヤー」とは何なのか。非常に便利な機能ではありますが、初めて触れるときはなかなか理解するのが難しいものではあるので、まずは簡単にその解説から。

rayer00.gif

SAIのレイヤー構造を横からみた図です。レイヤーとは簡単にいえば完全無色透明・いくらでも重ねることができる「板」です(一番下の下地は実際には存在しませんが、解説する上では便利なのでここで描いています)

rayer21.gif

上図の構造を実際の画像にしたものです。レイヤー1・2に丸い図形が書かれている部分以外は完全な無色透明です。丸い図形の周囲が白く見えるのは、透明な板の一番下に白い下地があるように表示しているためです。

たとえばレイヤー1に色を置き、その上のレイヤー2に重ねて色を置いても無色透明なので透けて重なってみえます。また層に分かれているためとあるレイヤーをいじったり削除しても、他レイヤーの描画に影響しません。

以下では、そんなレイヤーの持つ便利な機能を解説していきます。

透明部分保護(とうめいぶぶんほご)

rayer10.gif

レイヤーウィンドウに「透明部分保護」という項目があります。ここをクリックしてチェックを入れたレイヤーは、文字通り「透明な部分を保護する」=「透明な部分に何をしても一切描画しなくなる」という機能です。

言葉で説明しても分からないと思うので、以下の図を参考にどうぞ。

rayer11.gif

赤色の部分はチェックを入れた後に描画した部分。青い部分はチェックなしで同様に描画した部分です。チェックを入れた後は最初に描画されていた部分から色がはみ出ません。

これの応用で、たとえばあらかじめ色を置きたい部分だけ塗りつぶしておき、ここにチェックをいれておくと、後はどれだけ色を重ねても最初に色をおいた部分からはみでることがなくなります。

下のレイヤーでクリッピング

rayer20.gif

同じくレイヤーウィンドウに「下のレイヤーでクリッピング」という項目があります。この機能も一種の「透明部分保護」なのですが、その保護する範囲が直下のレイヤー(この図ではレイヤー1)から判断します。

チェック前。

rayer21.gif

チェック後。

rayer22.gif

図のようにチェックを入れると上に重ねられたレイヤーの描画部分が、下のレイヤーの描画部分からはみ出さなくなります。しかし、決してその形に「切り抜かれた」わけではないので、チェックを外したり下のレイヤーを削除すれば上図に戻ります。

この機能では同じ透明部分保護でもレイヤーに分けているので、たとえば上に重ねたレイヤーが気に食わなくて削除してしまっても下のレイヤーはそのまま残ります。より複雑な調整をより大胆に行うことが出来るようになります。

領域抽出元に指定

rayer40.gif

次は少しだけややっこしい領域抽出元に指定です。

これはこの部分だけはあまり意味がないので複雑に見えますが、理解して活用すればぐっと作業効率が上がります。

「そもそも領域とはなんぞや?」ということですが、この領域とは別名で「選択範囲」といいます。こちらの方が使われている場面が多いので、以下は「領域」のことを「選択範囲」と言い換えて解説していますが、同じものを指すと思ってください。

ではその「選択範囲とはなんなのか」というと、ユーザーは任意で選択した範囲のことです。これまで何もなかった平野に杭を立て縄を張って、その内側を「選択範囲」と呼びます。

選択範囲かそうでないかは以下のように「青く変色した部分」もしくは「動く点線で囲われた部分」で判断できます。

rayer46.gif

青く変色(青い色を上から被せているだけなので、実際のキャンバス上の色味に変化はありません)するのは、赤で囲ったツール「マジックワンド(上)」「選択ブラシ、選択消しブラシ(下二つ)」を使っている場合です。

rayer45.gif

それ以外のツールを使っているときは、大抵の場合は点線で表示されます。

囲ったからといって何が出来るのかというと、囲った部分には何でもできます。一方で囲わなかった部分は何も影響されなくなります。つまり「変化させることができる部分」と「変化させたくない部分」に分けるのが選択範囲の機能です。

rayer47.gif

かなりぐしゃぐしゃにブラシを動かしましたが選択していない部分には描写されていません。クリッピングと違い選択範囲を解除しても赤い部分はこのままです。

長くなりましたがようやく本題です。「領域抽出元に指定」の機能は今もちょろっと出てきた「マジックワンド」機能に関係しています。

マジックワンドは作業しているレイヤーのクリックした箇所の「線で囲まれた領域」もしくは「同じ色(透明色含む)の部分」を自動で判別して選択範囲にしてくれます。なので広域な部分を隙間なく1クリックで簡単に選択することができます。

たとえばある線画を着色するときに同じ色のパーツ部分をマジックワンドで選択し、あとは塗りつぶすだけであっという間に塗り終わることが出来ます。

しかしマジックワンドは基本的に作業しているレイヤにしか使えません。なので、場合によっては「線画レイヤでマジックワンド」→「着色用レイヤに移動して着色」→「線画レイヤに移動してマジックワンド」→「着色用レイヤに移動して」……という行程を繰り返しがちです。

そこでこの「領域抽出元に指定」にチェックを入れておくと、作業レイヤーを移動してもマジックワンドはチェックを入れたレイヤーからのみ判断してくれます。

rayer44.gif

領域抽出元に指定されたレイヤーは緑色で表示されます(青色は作業中のレイヤ)

rayer41.gif

またこのときにマジックワンド側でも図のようにチェックを入れておいてください。

直線の引き方

こちらはレイヤー周りの機能ではないですが便利な機能なのでご紹介。SAIでは初期設定でShiftキーを押しながらブラシを動かすと直線を引くことが出来ます。

使い方は始点をポンとクリック、次にShiftキーを押しながら終点をクリックすると2点の間を線で繋いでくれます。最後にクリックした部分が始点になるので、慣れるまではポンポンと叩くように指定するといいと思います。

brush10.gif

ちなみに色や太さ、線の種類は選択中のブラシに左右されます。

TOP